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「華麗な味」(家庭の味)
1週間の休暇も今日で最後である。家へ帰るために飛行機で名古屋へ向かった。機内に腰を下ろすと、心地良い疲れの中でこの旅の出来事を思い浮かべていた・・・ 夢うつつの中で人の声が聞こえる。私はハッと目が覚めた。スチュワーデスが目の前に立っていた。目許の優しい上品そうなスチュワーデスであった。「お客様まもなく中部空港に到着します。恐れ入ります。シートベルトをお閉め下さい」と言ってから「ごめんなさいね、起こしてしまって。あまりにも幸せそうな寝顔でしたので、声をかけようかためらってしまいました」と言った。
名古屋に着いて駅前に出ると、高層ビルが聳えている。つい最近出来たばかりのビルである。私は中に入ってみることにした。 しばらくぶらぶらしていると、人ごみの中に後ろ姿の美しい女性が目に止まった。彼女はふと立ち止まり、何気なくこちらを振り向いた。先程のスチュワーデスであった。私は「あっ」と声を上げた。彼女も私に気付き驚いている様子であった。彼女は私に向かって歩いて来た。 少しの間立ち話をしていたが、近くにベンチを見つけると、私達はそこに腰を下ろした。勤務から開放された彼女は暇を持て余しているようでもあった。 「こっちの方は」と私は酒を傾ける仕草をして言った。「ええ少し」と彼女は言った。
私達は居酒屋で飲み始めていた。 いつの間にか彼女は酔って来たようでもあった。成り行きも手伝い、私達はホテルの一室にいた。一糸も纏わない彼女の姿はさらに美しかった。私は宝物に触れるようにそっと彼女を抱いた。やがて彼女は絶頂に達した。獣のように振り乱れる姿は華麗でもあった。
その夜は結局遅くなって家へ戻った。妻はまだ起きていた。「お帰り、どうだった旅行は」と言った。私は「うん、まあ」と曖昧に答えた。 妻はそれ以上は聞かず「じゃあ先に寝るわよ。明日からまた頑張ってね」と言った。私には何の不信も抱いてはいないようであった。 私は家庭の味をしみじみと感じていた。
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